防衛装備品の調達に思う

 自衛隊の主要兵器の大部分はアメリカ製である。国際的に見てアメリカが高性能のものを造っており、また日米安保体制を尊重してわが国がアメリカ製のものを優先的に取得しているからである。しかしアメリカ製を優先し過ぎるがために兵器の値段が高すぎるのではないかと思うようなことが多い。これは戦闘機などの機種選定が行われ、機種が決まった後に条件交渉に入るという我が国の予算システムの問題もある。アメリカはどうせ日本はどんな条件でも買うことが分かっているから条件交渉に応じてくれない。かつてミサイル防衛システムの導入のときもそうであった。大臣が導入を約束しているからアメリカは自衛隊が条件や価格の交渉をしても突っぱねてくるだけである。そんなに条件が悪いのなら、そんなに価格が高いのなら導入をしない、あるいは別のものにするという兵器取得の決定権をそれを使う自衛隊に与えるべきである。安全保障会議で導入を決めておいて、細部交渉を自衛隊に実施させる手順は改める必要がある。

 グローバルホークやオスプレイなどが自衛隊にも入ってくる。これらも自衛隊の部隊よりは内部部局以上の政治レベルで導入が決定されている。グローバルホークは30時間以上も高高度偵察をするが、空中から情報のリアルタイム伝送が出来ない形で導入されるという。まる一日以上の情報を抱えて地上に降りてきたグローバルホークの情報を、着陸後分析しなければならない。分析は更にアメリカの会社に金を払って実施してもらうという。当然アメリカの会社は分析したすべての情報をそのまま日本に引き渡すことはないだろう。情報の世界はGIVE&TAKEが原則である。これでは自衛隊がアメリカのために情報収集しているようなものである。導入決定を自衛隊に任せればこのような形で導入されることはなかったであろう。

 オスプレイも17機の調達で3600億円といわれている。防衛関係費が伸びてもそれ以上にアメリカに支払うのでは国内防衛産業が力を付けることはできない。国内防衛産業が力を失っては、自衛隊の戦力発揮が一層アメリカに依存することになり、我が国の自立は遠のくことになる。国家の自立と軍の自立は同義語なのである。

 我が国では第二次安倍政権になって十年ぶりに防衛関係費の下落傾向に歯止めがかかり、上昇傾向に転じているが、新たに導入する兵器の価格上昇で自衛隊の戦力量を増大することが出来ない。中国の20年以上にわたる軍拡と東シナ海、南シナ海における軍事力による現状変更などを考慮すれば、我が国も早急に実質戦力強化に踏み出す必要がある。その際、最先端の兵器が必要数取得できる予算があればいいが、我が国の政治情勢ではそれは難しい。従って限られた防衛関係費を出来るだけ有効に使用しなければならない。その為に最高性能で高価なアメリカ製ばかりを追い求めるのではなく、兵器取得先の分散化を図るとともに兵器システムのハイ-ローミックスを進めてはどうかと思う。

 近代戦では兵器の性能差は、特に空や海の戦いでは決定的であり、あまりに差があり過ぎては兵器としての意味がない。極端な例であるが、空自の現在の主力戦闘機F15に対し、昔の零戦では戦うことは出来ない。しかしながら、ある程度の差で我慢できるものは一世代前や中古など創意工夫したらいい。そういう意味で、アメリカ同様実戦経験豊富なイスラエル製の兵器などを取得対象に加えたらいいと思う。

 兵器をアメリカからばかり買っていては価格も上昇するし、アメリカにコントロールされる度合いが高くなる。我が国が自立した国家に向かうためにも兵器調達先を分散化すべきだと思う。そして輸送機、給油機、救難機などは別に最新のものでなくとも十分要求を満たすことが出来るのではないか。中古品にすれば所用経費も抑えられる。分散化の対象国としてイスラエルに目を向けてはどうかと思う。東京オリンピックに向けた警備システムなどもイスラエル製は優れているようだ。


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